米国通貨戦略の破綻―強いドルはいつまで続くのか

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米国通貨戦略の破綻―強いドルはいつまで続くのか米国通貨戦略の破綻―強いドルはいつまで続くのか
森 佳子
東洋経済新報社 刊
発売日 2001-06
価格:¥2,310(税込)
金融の素人にも通貨戦略の秘密がわかる! 2001-07-12
「米国通貨戦略の破綻」は、米国ルービン財務長官の時期を中心とする米国のドル高政策の軌跡を描写しているが、著者の丹念な調査から浮かび上がるのは、基軸通貨国としての地位に胡座を掻き節度を失ってしまった米国の姿である。基軸通貨と言いながら、実はニクソンショック以来、ドルは明確な価値の根拠を失ってしまっている。それにも拘わらず積年にわたって対外赤字を垂れ流しつづけた結果海外に巨額のドルが滞留する一方、赤字ファイナンスのため米国はドルの還流に一層神経を使わざるを得ない状況に追い込まれている。国際金融市場の自由化と相俟って通貨相場は近年著しく不安定になっているが、こうした状況の中で活動するウオール街・財務省複合体の貪欲な姿が、ルービン長官の巧妙なステートメント!とともに燻り出されてくる。
著者の叙述はあくまで平易で、日々のニュースから沸いてくる素朴な、しかし根源的な疑問から出発している。そもそも外貨準備とは何か?為替介入とはどのように行われるのか?例えば円売りドル買い介入で購入されたドルはどう扱われるのか?日本政府による為替介入は誰の金によって行われるのか?その収支は?実際にどのような国民負担があり、どのように処理されているのか?こうした疑問に答えつつ、ウオール街・財務省複合体の通貨戦略と日本の関わりを浮き彫りにしている。精緻に見えつつ実は危ういヘッジファンドの投機、その代表格であるLTCMの破綻が象徴する深刻な影響。投機筋の踏み台となった円キャリートレード、その背後にはバブル崩壊以後機能不全に陥ってしまった日本の!金融市場があることを示している。世界最大の対外債権国でありながら確固とした国家戦略の不在から有効な通貨戦略を発動できない日本を浮き彫りにしているところに著者の問題意識の中心がある。
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